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2010年04月21日
◎年間変動率で見た上値メドは

< 強まる円の先安観 >

為替市場で円の先安観がジワリと強まりつつある。

背景などについては先週も一度報じているため興味のある方はバックナンバーを参考にされたいが、仮にその見方が正しい場合ドルの上値メドはどの程度になるのだろうか。ザックリとした見通しを考えるうえで筆者が参考にしている「年間変動率」を参考に以下でレポートしてみたい。

< 中立でも100円到達か >

年間変動率とは、為替相場が一年間にどの程度の変動を達成したのか、過去に遡って集計したもので、変動相場制移行後のドル/円相場は平均でおよそ17%の変動となる。これは例えば、1ドル=100円である一年間がスタートし一方向にのみ動いた場合、年末までに117円あるいは83円のいずれかをつける公算が大きいということだ。

しかしながら、実際にそこまで極端な値動きはなかなかない。むしろ、経験則からすると「ドル最弱相場」と言える際にも、ドルは年初のオープン値から一時的には平均で2%ほどドル高に振れる展開をたどっている。

翻り、今年のオープンレベルである92・7円の2%高レベルは94・60円で、これは偶然にも直近のドル高値に近い。つまり、今年の相場が仮に過去に見た「ドル最弱相場」と同等であるのならば、年間のドル最高値をすでに示現した可能性もある。

もっとも、筆者は今年の相場を「ドル弱気」もしくは「中立」と予想しており、それぞれのドル上値メドについて経験則を参考にすると前者が97円台、後者は100円レベルとなる。つまり、足もと云々ではなく年内というやや長めのスパンでは、「強気」ではなく「中立」程度の見通しでも今年中に100円前後のドル高値をつける可能性を否定出来ないようだ。(了)



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