TOP
コラムTOP
最新コラム
バックナンバー
2010年04月07日
◎米債購入者、中国から日本へ

< 中国の米債保有は減少へ >

先週と先々週、過去2回の当欄で筆者は「政府・財務省による円売り介入」と「中国人民元切り上げ」に関する話題を取り上げた。

一見するとまったく相関性のない話だが、一部から「実は根っこは同じモノ」などとする指摘が聞かれている。一体どういうことなのか、真偽のほどはさておき囁かれている思惑について以下で簡単に解説してみたい。

< 日本の米債購入増に期待? >

そんな両者を結ぶものとして考えられているものは「米国債の購入」で、ここ数年は中国が自国通貨(人民元)高抑制のために断続的なドル買い・人民元売りの市場介入を実施すると、そこで得た資金が米国債市場に流れ込んできていた。つまり、そうしたことからすると中国は米国にとって財政赤字をファイナンスしてくれる大事なお客様で、また市場介入で得た資金を活用していたことからすると、米国は人民元安についても強く不平不満を言える立場ではなかったのかも知れない。

しかし、中国の米国債保有額は09年7月をピークに緩やかながら減少傾向を示している。もちろんこれは中国によるドル買い・人民元売りの市場介入が実施されているにもかかわらずだ。

いずれにしても、最近になり中国が米国の財政赤字をファイナンスしなくなっていることが人民元安に対する不満に繋がっている可能性は高い。

その一方、米国サイドとしては中国に代わる財政赤字のファイナンスとして、日本に大きく期待を寄せているように思う。例えば、その一端が「日本の財務省が為券(外国為替資金証券)の発行増を発表」したこと、延いては円売り介入実施の可能性を明確に示唆したことに示されていると考えるのは深読みのし過ぎだろうか?(了)



Copyright (C) 2004 fx-newsletter All Rights Reserved