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2010年03月17日
◎コーンFRB副議長退任へ

< 信頼厚い叩き上げの人物 >

FRBのコーン副議長が今年6月で退任することが発表された。

コーン氏は02年8月からFRBの理事に就任、06年6月から副議長を務めており、理事や副議長の職を通してグリーンスパン前議長やバーナンキ現議長をサポートしてきた。信認の厚い人物で、とくにグリーンスパン氏から絶大な信頼を寄せられている。その一端は、グリーンスパン氏のスピーチ原稿草案を執筆していたのがコーン氏だったと言われるほか、かつて辞職の意向を示した際にはグリーンスパン氏自らが強く留意したとされることなどにも示されているだろう。

そんなコーン副議長の任期はもともと今年の6月23日まで。残りは4ヶ月を切っていることもあり、それほど影響はないとの見方もあるが、副議長を退任してもFRB理事としての任期は16年1月末まで残っていたなかでの完全退任となる。信頼の厚い叩き上げの人物であることと併せ、FRBの政策運営にまったく影響がないとは言い切れないように思う。

< 理事4名の異常事態も? >

一方、米国の金融政策が決定されるFOMCは議決権を有する合計12人の「ボードメンバー」で運営される。うち7人をFRB理事(正副議長含む)が占め、残りの5人は持ち回りで地区連銀の総裁が担うことになっている。5名の地区連銀総裁はひとりも欠けることなく揃っているが、FRB理事は現在5名しかいない。

加えて、今後コーンFRB副議長が退任するとなると、理事はわずか4名しか存在しないことになってしまう。これはある種の異常事態だ。早いタイミングでの異常事態の是正を臨みたいが議会との調整などなかなか難しい問題が山積みされている。オバマ大統領の調整力に注目したい。(了)



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