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2010年03月10日
◎3月相場で需給要因注視

< 流れ一変、ドル売りへ >

先月18日に実施されたFRBの公定歩合引き上げから、米FFレートの引き上げ観測が高まりドルの買い材料となっていたわけだが、先週は発表された米経済指標でネガティブ・サプライズが連発するという結果になり失望によるドル売りへと流れが一変する格好となった。

ただし、さながら「陽の極」から「陰の極」へと転じた感があるなど、ここ最近の相場はやや過剰に反応することが多いだけに、先週のようなドル安の継続には疑問を抱く向きもないではない。

< 期末にらみのリパトリは? >

一方、テクニカルに見た場合、上抜いたことが驚きだった一目均衡表の先行帯の雲の上限を再び割り込んできただけでなく、先週中にその下限(89・30円)も下回ってきた。トレンドが下向きに転換したとはまだ言えないものの、一時は「95円到達説」なども聞かれたドルの上値トライが仕切り直しとなったことだけは間違いないだろう。

そうしたなか、今週は材料的に米雇用統計の発表など目先の注目要因が少なくないものの、名実ともに3月入りしたことで個人的にはむしろ需給要因に注目している。

改めて指摘するまでもなく、3月末は多くの企業にとって決算期末に当たる時期で、リパトリと呼ばれる決算対策用の対外資産取り崩しにともなう円買い需要が少なくない。とくに、今年は「日本版・本国送金法」と言われる税制の優遇措置が設けられているだけに、例年よりも資金還流が多そうとの推計も一部外銀の試算などでは観測されている。先月2月末に掛けても一部はすでに観測されているなどと言われるが、さらなる円高を招く材料になりかねないだけに今後もリパトリをはじめとする需給要因には是非とも注意を要したい。(了)



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