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2009年12月23日
◎85−88円台は居心地悪い

< 居心地悪くステイは困難か >

テクニカル分析の一つといってよいのだろうか、それとも経験則に分類されるのか、ともかくマーケットの先々を考えるのに有効な手法として「取引の価格分布帯」がある。

筆者のとても好きな分析方法で、ごく簡単にいうと過去に取引のあった価格帯の滞空時間を示したものになる。そして、過去に「取引の多かった価格帯」はレジスタンスやサポートなどの節目になり易く抜けることが容易でない反面、「取引の少なかった価格帯」はあまり長期間留まることが予想し難くアッサリと抜ける傾向がうかがえるため、相場の先行きを見極める上で参考になることも少なくない。

< 下方向なら再び84円台も >

さて、そんな「価格分布帯(変動相場制以降)」を見てみると、本稿執筆時にドル/円相場が推移している88円台は取引があまり多くない「居心地の悪いゾーン」である反面、上方向なら89−90円台、逆の下方向の84円台は取引が多く求心力の高い「居心地の良いゾーン」にあたる。

ちなみに、偶然にしても先月末の27日にドルが下げ止まった84・80円、12月4日にドルが上げ止まった90・76円とも、前述した過去の取引が多い「居心地の良いゾーン」であったことは注目されるところと言えよう。

一方、「価格分布帯」の観点から先行きについて考えてみると、現状レベルを含む85−88円台に長期間滞在することは予想しにくいことから、それほど遠くない将来に上方向なら89−90円台の回復が期待できる反面、下方向なら再び84円台までの下落を否定できないことになる。

ただし、上方向に動くのか、それとも下方向に動くのか、次の方向性までは残念ながら良く判らない。(了)



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