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2009年12月09日
◎「ドバイ・ショック」要注意

< 先週末に突然「危機勃発」 >

先週末の為替・金融市場で「ドバイ・ショック」と呼ばれるUAE(アラブ首長国連邦)の信用不安が急台頭した。

ニュースや新聞報道などでも連日取り上げられていることだが、ごく簡単に指摘すれば以下のような話になる。

キッカケは、政府系の持ち株会社であるドバイワールドが保有する債務の支払いを猶予するように要請したことになる。ちなみに、ドバイワールドは約600億ドル近い債務があると言われていた。

< 第2のリーマンとの指摘も >

そんな「ドバイ・ショック」については、先週末にブレア英首相が「ドバイ危機は封じ込め可能」、またプーチン露首相も「市場の混乱は一時的なもの」と発言しているほか、有力格付け機関のムーディーズも「UAEの銀行格付けや見通しは現時点で変更せず」としている。

上記の発言や発表などを額面通り素直に受け取れば、短期間で終息、まさに一時的な影響だけに留まりそうだが「ホントにそうなのか」という疑念は払拭できない。

実際、そのあとにUAEの中央銀行は「ドバイ・ショック」の軽減を目的として資金供給を実施すると発表したことで不安感が一瞬後退したものの、今度はドバイの政府系持ち株会社傘下の不動産開発会社ナキールがナスダック・ドバイに対し「イスラム債3本の取引停止を要請した」と伝わっている。一難去ってまた一難、次々に負の連鎖が生じるところなどは、かつてのサブプライム問題を彷彿とさせる点もある。

気の早い一部マスコミで報じられている「第2のリーマン・ブラザーズ」---と言われるレベルにまで話が大きく広がるかどうかは別にしても、年末に向けた相場の波乱要因として今後もその動向には注視する必要がありそうだ。(了)



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