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2009年12月02日
◎尾を引くランド暴落問題

< 金融取を集団提訴も? >

一部報道によると、東京金融取引所が手掛けるFX取引「くりっく365」で起こった南ア・ランド相場の暴落問題をめぐり、損失を被った投資家が同取引所を集団提訴する準備を進めているという。

ちなみに、「ランド暴落問題」をご存じない方はいないと思うが、念のため要旨だけを説明すると次のようになる。

10月30日金曜日のNYタイム夕方、11円半ばで推移していたランド/円が、一気に8円半ばまで3円あまりも暴落したことを指す。

どれぐらいのダメージか判りにくい方のために、これをドル/円に置きかえると、ホンの数十秒のあいだにおよそ30円もドルが下落したこととほとんど同意義の話になる。1ドル=100円で推移していた相場が、アッという間に1ドル=70円になったといえば、暴落の凄さが判っていただけるだろうか。

ともかく、そんな予想外のランドの暴落で多大な損失を被った向きのあったことが問題になっているわけだ。

< 異常値を正常値として約定 >

そうしたなか、一方では「投資なのだからリスクがあることは当然」---などといった声も聞くが、その話とは論点が大きく異なる。

何故なら、ランドが暴落したのは取引所取引の「くりっく365」だけで、このときにいわゆるOTC(相対)取引では、そんな異常な価格変動が観測されていないからだ。つまり、一種の「バグ」であり、明らかな異常値にもかかわらず、「くりっく365」では正常値として約定されてしまったことが問題だったと言えよう。リスク云々は関係がない。

筆者は「くりっく365」という取引所取引を必ずしも否定するわけではない。しかし、この対応だけは、いただけなかったと思う。今後の成り行きを見守りたい。(了)



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