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2009年11月18日
◎米住宅支援策延長へ

< 米GDPの押し上げに寄与 >

10月末に発表された今年7〜9月期の米GDP速報値は前期比3・5%という好数字、5四半期ぶりのプラス成長を記録した。発表前後には、こうした好数字を好感したドル買いが集中、ドル/円は90円台から91円まで1円近く上昇するトリガーとなったことも記憶に新しい。

良好な米GDP発表もあり、楽観論とも言える見方が金融マーケットではジワリと有力になっているが、指標が予想以上の良好さを示した背景には米政府による2つの大規模な景気刺激策がある。

具体的には、住宅減税措置と低燃費車の購入支援制度であり、実際に2つの景気刺激策を受けGDPの約7割を占める個人消費がプラス3・4%まで押し上げられている。

< 問題は米財政赤字の拡大か >

そうしたなか、2つの刺激策のうち自動車購入の支援制度についてはすでに8月下旬で終了しているほか、もうひとつの住宅購入支援制度も今月末で期限切れを迎えることになっていた。

仮に自動車と住宅、これまで米国の景気回復を支えてきた2つの支援が11月末までで打ち切られた場合、今後も順調な景気回復を示すのかは非常に懐疑的な面が残っていたが、そこはさすがに米国だ。今月4日の上院本会議で住宅支援については延長法案を全会一致で可決した。あとはオバマ大統領の署名で成立することになる。

米議会の対応は景気に関してポジティブな要因で当然歓迎すべきこと。しかし、一方で法案の延長による財源問題が取り沙汰されており、現状でいえば当然赤字国債の発行しかありえない。つまり、米国における財政赤字の拡大は余儀なくされそうだ。

このあたりが、のちのち米国にとってのアキレス腱となる可能性も否定は出来ない。(了)



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