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2009年11月04日
◎通貨の切り下げ合戦
< 多くの国が通貨安望む >
自国の輸出企業などに都合の良い通貨安政策を多くの国が採用している。
・・・こう書くと、「そんなことはない」という反論もありそうだが、実際のところ韓国など一部のアジア中銀は自国通貨の断続的な防衛介入(ウォン売り・米ドル買い)を実施しているし、そこまでいかないにしてもスイスや英国、欧州、カナダなどからは要人による「口先介入」が相次いでいる。
紙幅の関係もあるが、後者を例に挙げると先週末23日にスラムコ・スロバキア中銀総裁は「ユーロ高はユーロ圏に問題を引き起こす可能性がある」、カーニー・カナダ中銀総裁も「為替介入は常にあるオプション」とコメントしていた。
また、米国についても、「ドル高を望む」と発言するウラで、実は通貨安を望んでいるとの見方はもはや常識だ。
< ブラジルに続く先は? >
そんななか、今月19日に通貨安政策の「極め付け」ともいえる動きがブラジルで実施された。具体的には、金融市場への投資を目的とした海外からの送金に対し、一律2%の税金を徴収するとした発表になる。
ブラジル政府としては、課税で投機的な資金流入を抑制するのと同時に、同国通貨であるレアル高を抑えたいという意思があるのだろう。
なお、その翌日にレアル相場が大きく下落しており、取り敢えず効果は目に見える格好で挙がっている感がある。
そのため、問題は効果の継続性と仮にブラジルのケースが上手くいった場合、ほかの新興国などに同様の動きが波及することはないのかということだ。「通貨切り下げ合戦」とも言える動きが今後世界的に拡散する危険性も否定できない。(了)
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