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2009年10月28日
◎ユーロの続伸に懐疑的
< 特別検査で危機明らかに >
いささか古い話になるものの、今月1日にEU各国の金融当局で構成する欧州銀行監督委員会が、域内の主要22金融機関を対象としたストレステスト(特別検査)の結果を公表した。
それによると、最悪のケースでは今年から2011年にかけての2年間で、金融機関の破たんなどにより4千億ユーロ(約55兆円)もの損失を計上する可能性を否定出来ないという。
おりしも、先週から今週にかけて米系の大手金融機関が相次ぎ決算を発表しており、その内容はというと良好なものとなっている先が少なくはない。
しかし、それに対して欧州系の金融機関には財務状況などで危ない先がまだまだ少なくなく、予断の許さない状況が続いていることになる。
< ユーロはすでに行き過ぎか >
いずれにしても、そうした状況から察すると、今年4月以降は緩やかな右肩上がりで先日昨年8月以来の1・49ドル台を示現、年初来安値から計算すると2500ポイントもの上昇をたどっている足元のユーロ高は果たしてどうかという疑問も出てくる。
つまり、平たく言えばユーロが対ドルなどで、それだけ堅調に推移しているのはおかしいのではなかろうか。
もっとも、マーケットが間違っていると声高に言っても結果がすべてなので、それをあまり突っ込むことはしない。
とは言え、仮に」マーケットが間違っている」あるいは「ユーロ高が行き過ぎている」のだとすれば、今後どこかで、その調整的な動きが観測されても不思議ではなくなるだろう。
米国に数歩遅れる格好で欧州にて金融機関の経営不安が台頭した結果、今後ユーロ安が進行するという展開が起こらないとも限らない。(了)
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