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2009年09月09日
◎住宅ローン延滞は増加傾向

< 米住宅指標は改善だが・・・ >

先日発表された米中古住宅販売やS&Pケースシラー住宅価格指数は予想を上回る好数字を記録、米住宅市場の底入れ観測が聞かれるようになってきた。

しかし、その一方で米住宅ローンの焦げ付き問題は熾き火のようにジワリとくすぶり続けている。むしろ、富裕層など「優良」者に向けた信用力の高いローン金利である「プライム」で延滞が目立ちはじめている。

< 「優良顧客」に増える延滞 >

御存知の方も多いだろうが簡単に説明すると米国における住宅ローンはおおよそ3つに分類される。

もっとも優遇される富裕層に向けた信用力の高いローン金利が「プライム」、そしてすでに問題となって著しい低所得者層向けのローン金利を「サブプライム」という。そして、両者の中間に「オルトA(正式名称オルタナティブAローン)」というものがある。

そんな米住宅ローンの規模は全体で10兆ドルを超えるが、すでに問題となった「サブプライム」が占める割合は約1割と言われている。つまり、残りの9割は「プライム」と「オルトA」が占めているのだが、そうした信用力の高い住宅ローンに延滞などの問題が発生しつつあるようだ。

実際、有力格付け会社でもあるS&Pの発表データをみると、今年第2四半期(4-6月)は「サブプライム」の延滞率が25・35%と断トツのトップながらやや頭打ち傾向が示される反面、「プライム」の延滞率は6・41%となり依然として右肩上がりの傾向がうかがえる。

いずれにしても、従来であれば「優良」に分類されたタイプの方たちのあいだでも住宅ローン支払いが徐々に滞り始めたと言うことは、気掛かりかつ問題の根が予想以上に深いと言わざるを得ない。(了)



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