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2009年08月26日
◎円建て貿易取引上昇

< 金融危機経て円に安心感 >

貿易に占める円建て取引の比率が大きく上昇している。なかでも輸入に占める比率の上昇が目立つようだ。

財務省が発表した今年上半期のデータをみると、円建て取引は24・6%となっており、これは昨年下半期と比較して3・9%のアップになる。これは04年上半期以来の高水準。

そうなった理由というのも幾つか考えられるが、一連の金融危機を経て米ドルに対する警戒感が依然根強い反面、円に対しての安心感がジワリと強まっていることも影響している可能性はある。

< 変わる実需筋の「為替予約」 >

そうしたなか、為替市場における「ビッグ・プレイヤー」といえばヘッジファンドをはじめとする投機筋ばかりがイメージされるが、実はもっとも重要かつ注意すべきはコンスタントな動意が持ち味の日本の輸出入、つまり実需筋だろう。円建て貿易の比率上昇で、その実需筋の為替予約スタンスに変化の生じている可能性があるということは非常に興味深い。

弊社で発行している「正規レポート」では過去になんどか報じているのだが、財務省が発表している通関収支統計と併せて考えた場合、日本における「米ドル建て貿易」はすでに大幅な赤字となってきた。実際、幾分古い話となるが、円建て貿易で820億円の黒字となった今年4月の数字を見てみると、米ドル建て貿易はマイナス8167億円、つまりかなり大きな貿易赤字を記録している。

おそらく世間一般的な認識であろう「日本は輸出立国」もさることながら、為替市場における「貿易黒字を背景とした大きなドル余剰が存在する」---についても、すでに過去のものとなって久しいのかも知れない。(了)



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