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2009年08月12日
◎バーナンキ再任問題

< 来年1月に任期切れ >

来年1月末で任期の切れるバーナンキFRB議長の再任問題がマーケットの一部で早くも取り沙汰はじめている。

そんなバーナンキ議長だが、金融市場関係者のあいだの評価は極めて高い。
たとえば、筆者の知人のある外資系証券筋が、いわゆるリーマンショック後の市場対応は見事としたうえで、「危機に立ち向かうヒーロー」になぞらえて賞賛、再任確実としていたことなどは、その典型と言えるかもしれない。思えば、前任者であるグリーンスパン氏も、就任直後に起こったブラックマンデーを無事に乗り切ったことをうけて、「マエストロ」などと言われ手腕が絶賛された経緯がある。

ヒョッとすると、偉大な前任者であるグリーンスパン氏と同様の道をたどる可能性も否定はできない。事実、オバマ大統領も会見では「非常に困難な状況で素晴らしい仕事をしている」と手放しに近いかたちで議長を評していた。

< 再任有力だが問題点も >

しかし、そんなバーナンキ氏にも弱点、あるいは問題点が幾つかある。

そのひとつは、「バンク・オブ・アメリカ(以下、バンカメ)によるメリルリンチ買収に関する強制的な圧力疑惑」だ。先日実施された下院の公聴会でバーナンキ氏自身が問題を否定したものの、バンカメ側との説明に食い違いが多くみられるなど議会サイドは必ずしも納得していない。

また、それとは別にバーナンキ氏の提案した「FRBの金融監督権限強化にともなう金融規制改革案」も議会の一部で嫌気されており、バーナンキ氏の再任を阻む要因になりかねないと言われている。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」---法案の成立もさることながら提案者であるバーナンキ氏の再選も一筋縄ではいかないのかも知れない。(了)



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