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2009年07月22日
◎円高で苦しむ輸出企業
< ドル/円は確かに逆境 >
ドル/円相場が一時91円台を記録するなど、為替市場における円の全面高を受けて、マーケットの一部からは本邦輸出企業に対する業績悪化懸念が指摘されはじめた。
ちなみに、先日発表された6月の「日銀短観」における09年度の大企業・製造業の想定為替レートは1ドル=94・85円となっていた。それとの比較では、本稿執筆時で3円近いドル安・円高に振れている計算になる。
一方で、トヨタやホンダなど自動車大手は1円の価格変動で100億円を超える損失が出ねと言われるだけに、単純に考えれば、確かに為替の悪影響が懸念されかねないかも知れない。
< ユーロ/円では為替差益も >
しかしながら、世界がグローバル化をたどるなか、ドル/円相場の想定レートだけをみて、損益云々を指摘するのはおかしいのではなかろうか。実際、ユーロ建ての輸出金額がドル建てを上回る企業もいまでは少なくない。
では、そんなユーロ/円の想定為替レートについて調べてみると、前述したトヨタやホンダは125円、また日産自動車やソニー、キャノン、日立製作所なども同じく125円となっている。唯一(?)三菱自動車が116円としているが、そのほとんどが125円に収斂されていると言ってよい。
その反面、ユーロ/円の実性相場は129〜130円で推移しており、それからするとまだ5円程度も余裕がある。別の言い方をすると、ユーロ/円ではむしろ為替差益を計上する公算が大きく、ひいてはそれが業績上方修正要因となる可能性も否定出来ないほどだ。
輸出企業による円高損失の話を100%ウソ---とまでは言わないが、眉に唾付けて実体をしっかりと見極めていただきたい。(了)
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