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2009年07月15日
◎バッドバンクの規模縮小

< WSJが報じる >

今月2日、有力欧米紙であるウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたところによると、銀行から不良資産を買い取る官民合同の買い取り基金、いわゆる「バッドバンク」の買い取り規模は大幅に縮小される見通しだという。

ちなみに、バッドバンクは政府による1000億ドルほどの拠出と、民間資金を併せて最大で1兆ドル規模になるとされていた。

< 根拠ない楽観はどこから? >

なぜ縮小させるのか、そしてどの程度の規模まで縮小させる見込みなのか、WSJの報道では明確になっていないものの、米財務省が公表した当初計画から大きな後退となることは間違いない。

ただし、考えられることのひとつとしては、米金融機関の一部が借り入れていた公的資金の返済に動くなど体力がやや改善していること、また米景気が最悪期を脱したとみられることも影響している可能性があるようだ。

しかし、筆者などはその都度思うのだが、いったい米国民はどこまで楽観的なのだろうか?
たとえば、一例をあげると先日発表された6月の米新車販売を見ても、破たん申請を実施したGMとクライスラーの低迷が目をひく状況だ。ともに前月同月比で30%以上の落ち込みを示している。

それも、GMについては6月1日の破産法申請もあり、閉鎖に追い込まれたディーラーが大幅な値引きで在庫を処分したという要因も含まれての数字。そうした底上げ要因がなければ、どれだけ落ち込んでいたか判らない、との指摘もある。

もちろん過度に悲観することはないと思うが、それにしてもというのが正直な感想だ。もう少し、現実をしっかりと見極めて欲しいのだが・・・。(了)



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