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2009年07月08日
◎加州に財政破たんの危機

< フィッチは格下げ実施 >

米国の地方財政が危機的な状況を迎えている。その一端について筆者は、今年4月の紙面で「歳入不足から今年に入ってだけでニューヨーク、ミシガン、カンザス、コロラドなどの州で合計9つの州立刑務所が閉鎖された」---などとレポートとしている。興味のある方は水曜日付のバックナンバーを是非とも当たってもらいたい。

ところで、苦しい米国の地方財政がさらに苦境に立たされているようだ。

実際、著名俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏が知事を務めることでも知られるカリフォルニア州(以下、加州)について、有力格付け会社であるフィッチは6月25日、一般財源債の格付けを引き下げると同時に、「今後再び格下げを行う可能性がある」と発表している。

< 来年度2兆円超の歳入不足 >

決して加州だけに限ったことではないけれども、来年度の予算において大規模な歳入不足が見込まれている。実に驚くなかれ、加州における金額は240億ドルにも及ぶ。非常に大雑把な計算をしても邦貨にして2兆円を優に超える金額であり、それだけの資金不足に陥ることがほぼ確実視されているわけだ。

そうしたなか知事主導で政府支援や、増税策の導入など様々な手法が模索されてきたものの、なかなか上手く機能しない状況が続いている。

さらにいえば、状況が悪化すれば加州が破たんする展開すら否定できず、事実、同州の財務官が「今後数週間以内に財源が枯渇し、50日以内に財政破たんするとの見方を示した」---といった一部報道も観測されている。

実際に破たんという憂き目に合うかどうかは判らないが、ともかく予断は許さない。ギリギリまで破たん回避に向けた調整の行動が続くことになりそうだ。(了)



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