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2009年06月10日
◎米財務長官の訪中

< ガイトナーが初の訪中実施 >

中国通---と言われたポールソン氏から米財務長官の座を引き継いだガイトナー氏が、先月末31日から今月2日まで初の訪中を行った。

隣国の中国を訪問するのに日本には立ち寄りもしない---というのは、日本にとって正直どうかという気もするけれど、世界経済について重要な位置を占める中国ということ考えると、それどころではないのだろう。

< 米債の営業、その成果は? >

さて、そんなガイトナー財務長官の訪中だが、その裏では幾つかの宿題があったと言われている。以下で大事なものを2つ見てみたい。

そのひとつは、「人民元の切り上げ」についてで、米国は表立って中国を為替操作国としてはいないものの、人民元の弱さに苛立ちを感じていることは改めて指摘するまでもない。漏れ伝えられる報道などではそれらに関する発言は見られないが、米中でどんな話し合いがなされたのか気になるところだ。

次にポイントとなったのは、現在もそうだが今後さらに増発が確実視される「米国債のセールス」になる。

中国といえば、日本とともに米国債の保有が群を抜いて高い国であるものの、それを疑問視する声が国内から根強く聞かれている。
実際、先日も中国人民銀行の胡副総裁が会見で、保有する外貨準備高において米ドル偏重の見直しを示唆しただけでなく、実際にゴールドの保有を増やしていることを発表、マーケットで思惑を呼んだことは記憶に新しい。

ご存知のように、足元では米国債の格下げ懸念が台頭していることもあり、発行された新発債の消化が順調に進むのかどうかという懸念も聞かれている。中国が購入を見送るようだと米国の状況は一気に苦境に立たされかねない。(了)



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