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2009年03月25日
◎止まらぬ韓国ウォン安

< 対ドルで11年ぶり安値圏 >

韓国ウォンが対ドルで11年ぶりの安値圏で推移している。韓国の通貨当局は断続的な自国通貨の防衛介入に動いているが、下値は見えず、依然として基盤が脆弱な状況はまだ当面続きそうだ。

そうしたなか、一時期一部で指摘された韓国の「三月危機」説をいまだ取り沙汰する向きもあり、予断は許さない。

< ウォン安容認との見方も >

韓国ウォンは昨年11月に1ドル=1525ウォン台まで下げたあと年末に掛けて反発、1200ウォン程度まで戻していた。しかし、買いも続かず、年明け以降再び売られると1600ウォン近くまで下落し、11年ぶりとなる安値を示現している。

ウォンが何故それほどまでに安いのだろうか。
直接的な背景はやはり米金融危機の深刻化にあるのだろうが、一方で「韓国政府がウォン安を容認しているのではないか」---という観測が下支えしている面も否めない。実際、先月25日にユン・ジュンヒョン韓国企画財政相が「為替問題をうまく活用すれば輸出拡大に繋がる」などと、ウォン安を容認するかのようなコメントを発し、マーケットで物議を醸したことがある。

確かに、韓国の経済成長はというと昨年第4四半期でマイナス5・6%となっており、年率換算では20%を超える落ち込みになる可能性を否定出来ない。そうした状況下、「通貨安による輸出増」という構図は、政府関係者にとって決して選択しえないものでもないだろう。

なお、ウォン相場は97年の、いわゆる「アジア通貨危機」の際、対ドルで一時1900ウォン台の後半まで下落したことがあった。それからすれば、見掛け上は当時よりも2割近く高く、まだ幾分余力があるようにも思えるのだが・・・。(了)



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