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2009年03月04日
◎期末控えたリパトリ要注意
< 国内株安がリパトリ加速 >
改めて指摘するまでもないと思うが「リパトリエーション(以下、リパトリ)」というのは決算期末などに向け、決算内容を少しでも良く見せるために、対外資産を取り崩して国内に資金を還流させる動きだ。
したがって、国内の株安などの状況下でとくに起こり易く、投資資金が還流する動きになるため、為替市場においては自国通貨買いが発生すると言うことになる。
< 新興国通貨安は続く公算 >
そんな「リパトリ」を日本勢特有のものと考えている方もあるようだが、そうではない。米国勢や欧州勢も同様のオペレーションを実施することがあり、とくに現在のような各国の国内金融危機、景気低迷となっている状況ではなおさらだろう。
つまり、米国勢が日本や欧州、新興国などで運用していた資金を自国へ還流する動きというのは、足元でも断続的に観測されている。
リパトリが日本勢特有のものならば円買い要因として云えるわけだが、今年は日米欧など各国・地域で実施されているため、三竦みの状況でなかなか決め手にならない。ドル/円をはじめ、ユーロ/ドルなどもなかなか方向性のハッキリしない展開が続いている背景には、どうもそんなところがありそうだ。
ただし、ドルや円など主要通貨については確かにそうだが、逆に言えることはそれ以外の通貨、たとえば新興国通貨についてはこのあとも総じて売り圧力が高い状況が続く可能性を否定出来ない。実際、先日はポーランド、チェコ、ルーマニア、ハンガリーの通貨がそれぞれ数年ぶり安値を付け、中東欧諸国の通貨が総崩れの展開をたどっている。
3月末に向けては、新興国通貨の取引には十分な注意が必要か。(了)
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