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2009年01月28日
◎欧州諸国の格下げ余波
< S&Pが連日格下げ実施 >
先週ぐらいから有力格付け会社であるS&P、スダンダード・プアーズを中心とした欧州諸国などの格付け見直しや、実際の格下げが為替市場の波乱要因となっている。
実際、今月9日には米雇用統計に注目が集まるなか、ギリシャとアイルランドの格付け見通しを「ネガティブ」に位置付けたことが嫌気され、ユーロ売りの要因となった。
また、それに続き12日にはスペインの格下げが示唆されたほか、翌13日にはニュージーランドの外貨建て長期格付け見通しを引き下げしたことに続き、ポルトガルの格付け見通しを「格下げ方向で見直し」とされた。
さらに、14日はギリシャの格付けが実際の引き下げされたうえ、19日にはスペインが格下げされている。
< 中長期の通貨安要因にも >
ちなみに、こうした一連の欧州諸国を中心とした格下げ、あるいは格下げ見通し報道は短期的な通貨安要因となるだけでなく、やや時間をおいても、通貨安要因として寄与する可能性を否定出来ない。
というのは、金融機関で外債などの投資を担当しているファンドマネージャーなどは格下げによってポートフォリオの組み替え、もしくは見直しに着手する必要が生じるためだ。その結果、それまで例えばギリシャやスペイン、ニュージーランドなどへ投資していた資金を、ほかの高格付けの国へと移す公算が高くなる。つまり、格下げにより為替市場においてユーロやニュージーランドドルは、今後も売られる危険性を秘めている状況にあると言えよう。
いずれにしろ、実際の格下げ自体が一巡したあとも、為替市場で思惑を呼ぶ可能性は極めて高い。格下げの実施で悪材料が出尽くしたなどと考えることは時期尚早だと思われる。(了)
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