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2008年12月31日
◎為替市場介入の実効性は?

< 円絡みで相次ぐ口先介入 >

ドル/円相場は先週に一時が87円台を付けるなど、ここにきて年初来のドル安値を再び下回ってきた。それもあり、マーケットでは日銀による市場介入実施の思惑が広がり始めているようだ。

実際、中川財務金融相の発言を見ても、17日には「介入は考えていない」、「円高は悪くない」という非常に楽観的な発言だったが、それが翌日には「必要なときには政策を講じる」、「円高で輸出企業の業績が悪化している」---と姿勢が大きく変化している。

いつ、という具体的な話は判らないが、口先介入に続き、久しぶりの実弾介入が観測されるタイミングも、そう遠くないのかも知れない。

< ECB介入の噂も取り沙汰 >

そうしたなか、日銀だけでなくECB(欧州中銀)による市場介入の警戒感もマーケットの一部で取り沙汰始めた。

ユーロ/ドルを単なるレベルだけで見ると、先週のユーロ高値1・47ドルでさえも、9月後半と同程度で過去になんども到達している水準。また、その2〜3ヶ月前には1・6ドル台をつけていたこともあるため、それから考えると特別にユーロが高過ぎるレベルにあるとは言えないだろう。ECBによる市場介入は、噂されるほど簡単に実施されるものではないのかも知れない。

しかし、ECBをはじめとする各国の中銀は決してマーケットのレベルだけで市場介入を実施しているわけではない。ではなにを参考にしているのかというと、通貨の変動率やポジションの偏りなどを含めた効果のあるなし、マーケットを取り巻く環境などを総合的に判断したうえで実施している。

それからすると、今スグはともかく、今後もユーロ高・ドル安が続くとしたら、その危険性が高まる可能性もあるだろう。(了)



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