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2008年11月19日
◎英首相の支持率急上昇

< 金融危機が逆にチャンスへ >

世界的な金融危機が各国の実体経済などへも影響を見せ始めた。
金融機関をはじめ、青息吐息の向きが少なくないなか、少なくともただ一人は喜んでいる人間がいる。それは、誰であろう英国の首相であるブラウン氏だ。

と言うのも、金融危機に対する迅速な対応や決断力、指導力などが称賛され、ブラウン首相の支持率が足元で急上昇していることによる。

いささか旧聞になるが、実際先月19日付の英紙『インデペンデンド・オン・サンデー』は、最大野党・保守党の支持率40%に対し、ブラウン首相率いる与党・労働党の支持率が31%となり、9ポイント差と1ケタ台まで縮まったと報じている。
ちなみに、今年4月以降は両党の差が1ケ台になったことがなく、最大では20%ほど離されていたことを考えると、かなり大きな巻き返しが入っていると言えるだろう。

また、政権などに対しては厳しいコメントが多い『フィナンシャル・タイムズ』においても、「市場の冷え込みを終息させるためブラウン首相は果敢に対応した」などと絶賛されている。

< 補欠選挙勝利、議席守る >

さて、そうしたなか与党・労働党議員の死去にともなう補欠選挙が今月6日に実施された。
事前までは与党候補がやや不利との見方も聞かれていたが、フタを空けると「ブラウン効果」もあり、与党候補が見事に勝利し議席を守るという格好になった。首相や政権の支持率アップが目に見えるかたちで結実したと言えそうだ。

日本では「人間万事塞翁が馬」---という言葉があるけれども、本当になにがチャンスに転じるか判らない。ブラウン英首相は密かに金融危機に感謝をしているに違いない。(了)



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