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2008年10月15日
◎10月相場は両極端、動く年は未曽有の変動

先週水曜日に10月入りした。早いもので、今年も残りは3ヶ月となる。
さて、そんな当月のドル/円相場の見通しなどについて、当コーナーで何度も取り上げている「過去の経験則」をもとに考えてみたいと思う。

まず星取りから見ていくと、90年以降昨年までの18年間で10勝8敗だった。ドル高方向に振れた回数が2回多いものの、それほど大きく偏っているわけではない。前月の9月相場もそうだったが、10月も円高、円安のいずれにもあまりバイアスが掛からないという結果になった。

10月といえばご承知のように、本邦機関投資家などは下期入りすることを意味する。リパトリエーションと言われる対外資産を取り崩しての国内資金還流、つまりは決算対策が9月までで一巡するほか、新規投資の再開が予想されることから個人的にはドル高有利と予想していたのだが、期待はずれの結果となった。

しかし、そんな10月相場を別の視点でみていくと、ひとつの大きな特徴がうかがえる。それは「まったく動かない」か「非常に激しい動きを示す」か、ふたつにひとつ。方向性は別にして両極端な値動きを示すことが少なくないことだ。

ちなみに幾つか実例を挙げると、一昨年の06年10月は変動幅3・26円で年間10位、05年は3・45円で12位、03年は9位、02年は11位、01年10位、00年12位---などとなっている。近年、とくに00年以降は前者である「まったく動かない」パターンが数多く観測されていることが見て取れる。

ただし一方で、「非常に激しい動きを示す」ケースも幾つか観測されており、またその際の価格変動というのは半端なものではない。
大手ヘッジファンドのLTCM破綻という要因があったにせよ、月間で25円以上も動いた98年のケースを筆頭に、同じく1ヶ月で15円近く動いた90年など事例は少ないものの、リスク要因として頭に入れて置かれると良いかも知れない。

おりしも、足元では依然として欧米金融機関に対する信用リスクの問題が引き続きくすぶっている。いったん動き始めると、非常に早くて大きいというのも10月相場の特徴だ。思わぬ値動き、波乱にも是非注意してほしいと思う。(了)



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