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2008年10月01日
◎恐怖指数は高止まり、今年最悪のレベルに

別名「恐怖指数」---などと言われる「VIX指数」が高止まりしている。
詳細は後述するが同指数は市場参加者の心理状態を如実に示すものとして知られているだけに、マーケット・センチメントの弱さが浮き彫りになったと言えそうだ。

以前にも報じたことがあるけれども、「VIX指数」とはシカゴ・オプション取引所に上場されている株式ボラティリティー・インデックスのこと。株式投資家の恐怖心理の度合いを示すものとして知られている。

と言うのも、株式相場の場合、一部のショートセラーなどを除き、ロングからマーケットに参入するという参加者が圧倒的に多いことが背景にある。したがって、株価の上昇よりも下落する際のヘッジ・ニーズが高まり、ボラティリティーも上昇する傾向にある。逆に株価が上昇すると、市場心理が好転し指数は低下するという特性があるわけだ。つまり、株価急落時には「VIX指数」も急騰する傾向にあるわけで、それに端を発し株式投資家の恐怖心理の度合いを示す「恐怖指数」などといった異名が付けられている。

さて、そんな「VIX指数」だが、今月18日にザラ場ベースで42・16をつけた。これは米系の大手証券だったベアー・スターンズが事実上の破たんに追い込まれ、ドルが95円台まで下落した今年3月の水準を上回るだけでなく、1月22日に記録した37・57も超える今年の最高値になる。

ともかく、「VIX指数」から見た場合、ヤマ場を越えた、あるいは最悪期は脱したなどと言われたサブプライム問題に端を発した金融不安だったが、到底そんな状況ではなく、マーケット参加者の心理状態は逆に今年最悪の状況に陥っていると言えるだろう。

その一方で、ご承知のようにFRBやECBなどの中銀は協調して資金供給を実施する方針を打ち出したほか、株式の空売り規制や不良債権の買い取り機構設立---など金融機関の安定化策を次々に打ち出している。

それらの対策を好感した格好で、株式や為替など金融市場は幾分安定した感もうかがえるが、肝心の「VIX指数」はと言うと、今週はじめの段階で33〜34と依然高止まりの状態を続けている。投資家心理は依然として悲観的なままであり、回復の兆しはうかがえない。(了)



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