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2008年09月24日
◎波乱含みの9月相場、大事件も起こり易い

「円安有利」と言われた7月相場、あるいはその逆に「円高有利」と言われた8月相場とは異なり、9月相場は円安、円高のどちらが有利ということはない。勝率を調べてみると、90年以降昨年までの18年間で9勝9敗となっており、まったくの互角になっている。

ただし、そんな9月相場は非常に荒れ易いという特徴がある。幾つか実例を挙げると、月間に11・15円も動いた98年を筆頭に99年は8・20円、02年の7・41円、03年は7・63円---などとなっている。
平均すれば、年間を通して1位あるいは2位となるほど大きく変動する月と言っても良いだろう。それも近年になり、大きく動く傾向があるということも興味深い。

なぜ9月相場が、それほど大きな値動きを示すのか、理由はひとつには四半期決算が主流になったとはいえ、日本企業にとっては9月末が中間期末に当たるということがまずありそうだ。

また、それに加えて、過去を振り返ってみると、9月というのは何故か大きな材料が出易い傾向がある。それも為替の値動きに影響を及ぼしていることは確かだろう。
こちらについても幾つか例を挙げると、85年の9月22日には、あの「プラザ合意」が起こっているほか、92年の9月16日には英ボンドと伊リラが「ERM」と呼ばれた当時の欧州通貨バンド制から離脱、98年の9月24日には大手ヘッジファンドであるLTCMの巨額損失発覚、01年の9月11日には米国同時多発テロ---など枚挙に暇がないほどだ。

そして、肝心の今年9月はと言うと、1日に福田首相が突然の退任を発表、今年のサプライズは政治要因かと思ったのだが、周知のようにそれは「露払い」に過ぎず、本命は別にあった。では「本命」は何かというと、ご承知のように15日に発覚した米金融大手リーマンブラザーズの破たんと、バンク・オブ・アメリカによるメリルリンチの買収---になる。

9月に起こり易い「サプライズ」、今年についても前述したリーマンブラザーズ破たんなどで終わったと思いたいが、その後のマーケットを見るとまだまだ予断は許さず。金融市場が荒れ模様の展開をたどる9月相場は、まだ半月近くも時間を残している。(了)



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