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2008年09月10日
◎日経スクープの真意、ドル防衛秘密合意報道

8月28日の日経新聞が1面トップで「日米欧が3月の金融危機時にドル防衛で秘密合意」と報じ、為替市場で物議を醸した。

お読みになった方が多いと思うが、記事によると、いわゆるサブプライムローン問題をきっかけにした米金融不安でドルが急落した過程のなか、今年3月に日米欧の通貨当局がドル買い協調介入を柱とするドル防衛策で秘密合意していた---ようだ。

なお、そんな日経の記事について記者団に尋ねられた、篠原財務官は「ノーコメント」、伊吹財務大臣は「当時は自民党幹事長だった。当時の財務相に聞いてほしい」などと、ともにお茶を濁すようなコメントを発している。

筆者は独自の取材で似たような話はすでに聞いており、実際過去の当コーナーでも報じているはずだ。ともかく、日経の報道内容については、正直なところ意外感、「サプライズ」は感じない。
ただし、ひとつ興味深いのは「今年3月に合意していた」という古い話をいまになって、それも1面トップで大々的に取り上げたのか---ということだ。それだけがよく判らない。

とは言え、記事を読むと「再びドル不安が台頭する局面では日米欧が3月合意を踏まえた市場安定化策に踏み込むことが考えられる」、あるいは「10月のワシントンG7でも、為替安定の協調で確認する可能性が大きい」などといった文章が確認される。裏読みするなら、このあと再びドル安の不安が台頭するようなタイミングが訪れかねない、ことを当局が想定したうえで「リーク」したのかも知れない。
別の言い方をすると、米国を中心とした金融当局はそれだけの不安感、今後と訪れるかも知れぬドル安進行に懸念を抱いている可能性がある。

いずれにしても、日米欧の通貨当局が今年3月以降も実際の市場介入に動くことはなかったため、「宝刀を抜く」ことはなく温存されたが、今回の報道でマーケット参加者に「宝刀を存在が明らかになった」ことになる。

警戒感がドル売りの抑止力にはなるだろうが、実際の介入が実施された場合には、逆に効果を殺ぐことになりかねない。報道は清濁併せ持った「諸刃の剣」であると考えており、評価がしにくいように思う。(了))



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