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2008年07月23日
◎サマーラリーに期待、米株はすでに大底圏?

株式市場でよく使われる言葉だが、「サマーラリー」という言葉がある。これは言ってみれば夏場に起こりやすい「(米国の)株高」のことで、経験則的には一種の季節性といっても良い。

一方で、周知のようにNYダウは弱気相場に入っている可能性が指摘されている。
しかし、過去のパターンを参考にすると足元の株価はすでに大底圏で、今後は右肩上がりの上昇が期待出来る---とこじつけられなくもない。

実はNYダウよりもナスダックで、その傾向が強いのだが、筆者がNYダウの「サマーラリー」について調べてみたところ、90年以降で明確に観測されなかったのは01年とサブプライム問題が噴出した咋年だけだった。つまり、残りの事例についてはなんらかの痕跡が見てとれる。また、平均では約1ヶ月から1ヵ月半のあいだに20%近い上昇を辿っていることが判った。

しかしながら、「何故夏に米株だが進行するのか」---という理由は、専門家のあいだでも実はハッキリしていない。著名な外資系のエコノミストも「夏場の株高根拠は薄弱。なぜその時期に需給が好転するのか正直判らない」としているが、ひとつの説としては四半期決算発表の時期でもある5〜6月は毎年需給悪から調整傾向の強い展開となりやすいだけに、「夏はその反動が入りやすい」(同)との話もあるようだ。

そうしたなか、今年のNYダウはと言うと、ここまで右肩下がりといって良い展開。したがって、今年は前述したような確度の高いサマーラリーが実施されない特異年に当たるのでは、といった疑念に駆られる面もあるだろう。
また、ここにきてファニーメイなど米政府系住宅金融会社に対する破綻観測など信用リスク問題が噴出していること株価の足かせ要因となる。

ただし、ここまでの「株価右肩下がり」を逆にいえば、もうかなり下げてきており、楽観的に考えると「底値は近い」と言えるのかも知れない。確かにNYダウは昨秋高値から20%以上と大きく下落しているが、過去のパターンをみると高値から25%ぐらいで底入れするということが実は少なくないからだ。

もちろん、ブラックマンデーの際には35%ぐらい下落しているため予断は許さないものの、半ば期待を込め敢えて「夏の株高」サマーラリーへの注意を喚起しておきたい。(了)



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