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2008年07月09日
◎金融市場の関心低い北海道洞爺湖サミット

7月7日から9日まで、北海道の洞爺湖でサミット(主要8ヶ国首脳会議)が実施される。

改めて指摘するまでもなく、いま現在、世界を取り巻く環境は非常に厳しいものがある。これは様々な意味でそう言えるが、敢えてひとつだけを指摘すれば、やはり原油価格を筆頭にした商品価格の高騰問題だろう。決して日本に限ったものではなく、それで頭を痛める国は少なくない。当然洞爺湖サミットにおいても主要な議題なひとつに挙げられている。
また金融市場の観点から言えば、異例とも言える米政府要人揃い踏みのドル安牽制が発せられていることもあり、それに関する議論についても一応注目されている。

したがって、もっと注視されてもよいサミットだが、厳戒態勢を取り始めた警備陣などとは裏腹に為替など金融市場においては、いまひとつムードが盛り上がらない。
いったい、それは何故なのか、複数の市場参加者の話を聞いたところ、答えは至極明快で「会合にほとんど期待していないから」---だった。

そこからさらに一歩進め、「何故期待していないのか」についてヒアリングをすると、大きくは2つの回答に収斂された。

ひとつは、日本の福田総理と米国のブッシュ大統領を筆頭に、ドイツ、英国、フランスなども内閣に対する支持率が低迷しており、政権がガタついている国ばかりであるということだ。つまりサミットとは、リーダーシップに疑問符の付く指導者ばかりが集まる会合で、別の言い方をするならば「外交よりも内政が大事。サミットに出席している場合ではない国ばかり」と言えるかも知れない。

またサミットは「主要国」と銘打っているものの、集まる顔ぶれをみると、そのなかには中国やインドのほかBRICsと呼ばれる国がひとつも含まれていない。したがって、「ここ最近の世界経済、あるいは生産や消費などを牽引する国が参加しない会議で新しいことが決められるのだろうか」(外資系為替ディーラー)という疑念を抱く向きが少なくないことも当然と言えよう。

あまり軽視し過ぎると、足元をすくわれる危険性もないではないが、為替など金融市場の観点から新たな合意がなされる可能性は低いそうだ。(了)



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