TOP
コラムTOP
最新コラム
バックナンバー
2008年06月18日
◎ユーロ続伸余地大きい、年内175円到達も

年間変動率という考え方がある。筆者の好きな相場分析方法のひとつで、当コーナーにおいてもなんどか紹介しているが、そのほとんどはドル/円についてのものだった。そこで、今回は同じ年間変動率の観点でユーロ相場について考えてみたい。

それによるとユーロ/ドル、ユーロ/円ともまだまだ変動は不十分。別の言い方をすると波乱の余地が十二分に残っていると言えそうだ。

まずは、ユーロ/ドルそしてユーロ/円の年間変動率を見てみると、誕生来でユーロ/ドルは価格ベースでおよそ1900ポイント、率にして17・1%の変動を1年間で記録している。また、ユーロ/円は1925ポイント(19・25円)、率では15・2%の変動が年間の平均となる。

一方、今年のユーロ/ドルそしてユーロ/円がどの程度変動しているのかというと、前者のユーロ/ドルが1653ポイント、率にして11・3%の変動であり、後者ユーロ/円は1357ポイント、8・3%だった。
つまりユーロ/ドル、ユーロ/円ともに過去と比べた場合、今年の価格変動はまだまだ不十分と言えよう。

とくにユーロ/円は「率」換算した場合、平均の半分程度の価格変動しか達成していないということになる。

もちろん、年初来まだ5ヶ月が経過したに過ぎず、7ヶ月近い日数を残していることからすると、ある意味当然ではあるのだが、別の言い方をするとここから先、年末にかけてまだまだ大きく動く可能性を秘めていると言えそうだ。

では、ここから先、年末にかけて動くとすれば、ユーロ高or ユーロ安どちらの方向なのだろうか。
正直なところ、それこそ「神のみぞ知る」ところ。

しかし、ユーロ/円については今年の寄り付きが163・52円、高値が6月5日の165・27円、安値は3 月20日の151・70円であることから考えると、リスクは上方向か。前記した過去の年間変動率を参考にすると、年末にかけてユーロは170 円を突破する可能性があるだけでなく、状況次第では175円に迫る展開すら否定出来ないように思う。

飽くまでも年間変動率という一種の経験則に基づいた考え方だが、ユーロ/円は年内についても相当の上値余地を残しているのかも知れない。(了)



Copyright (C) 2004 fx-newsletter All Rights Reserved