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2008年05月28日
◎HFはオバマ氏支持へ、本音はマケイン氏だが・・・
米大統領選は「民主党・オバマ氏vs共和党・マケイン氏」と言った様相を強めつつある。今月13日に実施されたウェストバージニア州の米大統領選民主党予備選はヒラリー氏が勝利を収めたが、それでも「焼け石に水」といった状況に変化はない。
そんな米大統領選について、ヘッジファンドなど投機筋の観点から少し考えてみたい。
複数のヘッジファンド関係者の意見を総合すると、業界にとってもっとも好ましい大統領候補は共和党のマケイン候補であるようだ。
御存じのように、ヘッジファンドが顧客とするのは主として潤沢な資金を有する富裕層。したがって、ヘッジファンドにとっては業界にとっての規制強化などを考えないだけでなく、富裕層に手厚い保護をしてくれる候補が「もっとも望ましい」ということになることは言うまでもない。
そこでマケイン氏の政策を見てみると、同じ共和党ということもあってか、ブッシュ現大統領が推し進めてきた富裕層に対する大型減税措置の恒久化を表明している。
それに対して、民主党の代表候補にリーチのかかっているオバマ氏はというと、逆にヘッジファンドの顧客である富裕層に一定の規制をかける考えを示している。紙幅の関係でヒラリー氏の政策については省くが、オバマ氏は数いる民主党候補のなかでも、もっとも大統領候補になって欲しくない人物の一人だった。
そんなことで、当初はオバマ氏と距離をあけていたヘッジファンド業界だが、そのオバマ氏が現在大統領の最有力候補に浮上していることで、ここにきて同氏に対する献金など積極的な資金供給が目立つようになってきた。
実際、ヘッジファンド業界で著名なジョージ・ソロス氏は当初ヒラリー氏の支持を表明していたが途中で撤回、そのあとオバマ氏の支持へと乗り換えた。こうした向きはもちろんソロス氏だけに留まらない。
つまるところ、相場的にいえば典型的な期待先行の「先物買い」となるわけだが、そんなファンドマネージャーによる資金供給がオバマ氏のリードをさらに際立たせていることも事実だ。
多くのファンドマネージャーの思惑どおり、来年の今ごろには「オバマ大統領」が誕生しているのだろうか?(了)
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