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2008年04月23日
◎3月ドル安値は年間最安値の可能性も

すでに何度かレポートしていることだが、今年の1〜3月はかなり荒っぽい相場展開だった。これは単なるイメージだけでなく、データからも見て取れる。以下では、今年1〜3月の相場を振り返るとともに、今後の展開について考えてみたい。

まずは1〜3月相場の基本的なデータをまとめておく。年初のオープンレートは111・85円、ドルの高値は1 月2 日の111・92 円、安値は3 月17 日の95・77 円だ。3ヶ月間の変動幅は16・15 円、変動率は14・44%になる。

その一方で、ドル/円相場は一年間にどれだけの価格変動を示すのか、過去の当レターで何度もレポートしている「年間変動率」を振り返ってみると、およそ17%だった。
と言うことはつまり、一年間で平均17%しか動かないドル/円相場が3ヶ月経過時点で、前述したように今年はすでに14%以上の価格変動を達成していることになるわけだ。

また、インターバンク・ディーラーなどの間ではなかば「常識」とされるが、4年に一度実施される米大統領選実施年の「為替相場は小動きになる」ことがジンクスとして知られている。確かに調べてみると、平均17%の価格変動が米大統領選実施年は約13%へと確かに縮小していることが見てとれる。

よって、こうした「年間変動率」を参考にした過去のパターンからすると、今年のドル/円相は早くも一年間を通した価格変動の大半をすでに達成しているのかも知れない。別の言い方をすれば、3月に示現したドルの安値95・77 円は今年の年間の最安値かそれに近いレートである可能性を否定出来ないだろう。

もちろん、年初来3ヶ月半が経過したに過ぎず、年末まではまだ7ヶ月以上の期間を残している。それからすると、今後前述した3月安値を絶対に更新しないとは言い切れない。

しかし、いつぞや日曜朝のテレビ番組に出演した榊原元財務官がコメントしたような年内90円程度、あるいは80円台突入---といった、さらなるドル安・円高進行は果たしてどうだろうか。
飽くまで「年間変動率」という経験則だけによるものの、筆者はその可能性が極めて低いものに留まるような気がしている。(了)



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