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2008年04月09日
◎4月相場は要注意、3月の流れ一変も

改めて指摘するまでもなく、今年1〜3月の為替相場は大荒れだったわけだが、果たして今後の展開はどうなのだろう。取り敢えず本稿では、その一環として恒例の過去の経験則を元にした当月の相場見通しをお届けしたい。

ここで結論のみを一言で指摘すると、4月相場というのは非常に特徴のある動向を示すことが多く、注意を要する月であるようだ。

一般的な認識としては、「3月は期末をにらんだリパトリにより円高に振れ易いが、4月以降は新規運用方針に基づいた外債投資が活発化するため円安に振れ易い」---などといった思惑が根強いように思う。しかし、筆者が過去の4月相場を検証したところ、意外なことに必ずしもそうとばかりは言えないようだ。

具体的に90年以降昨07年までの18年を例にとると、勝敗表は8勝10敗となっている。それほど大きな差はつかなかったが、むしろわずかに円高が有利との結論になった。過度のドル高期待を抱いて臨むことは危険が大きいのかも知れない。

では、4月相場の特徴とは一体なんなのか、と調べてみると実は非常に大きなものが2つある。
そのひとつは、「3月相場と4月相場は逆方向に動くことが少なくない」---と言うことだ。これは00年以降とくに顕著に見られ、例外と呼べるケースはほとんどない。
たとえば、昨07年も3月の陰線に対して、4月月足は陽線で引けている。そうした経験則からすると、今年の4月相場も同様に陽線引けの可能性が高いことになるわけだが果たして・・・。

もうひとつ、4月相場の特徴はと言うと、「一年間を通した天底いずれかのレートを付けることもままある」ことだろう。実際、過去18年で6例ほど観測されており、これは1月の8回に続くもの。3割以上の確率で「年間の天底をつける」可能性があるということは、決して低いものではないと思う。

さらにいえば、4月の天底の場合、90年につけたドル高値160・20円や、95年のドル安値79・75円のように、ヒスカリカルなレートをつけることもままあると言うことも興味深い。今年がそうした展開を辿るかどうかは判らないものの、一応の注意を有したい。 (了)



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