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2008年04月02日
◎米国版同意人事停滞、FRB理事の空席続く
全世界に向けた大失態を露呈した日銀総裁不在問題だが、それには衆院と参院で与野党の議席が逆転しているという、いわゆる「ねじれ国会」が大きく寄与していることは間違いない。
しかし、日本の「ねじれ国会」と若干ニュアンスは異なるものの、米国の政治情勢も同様のねじれ現象にあることは周知のことだろう。また、在米筋からの情報によると、そんな米国はやはり人事の停滞、それも中銀人事の停滞が目に付く状況にあるようだ。
日銀総裁にあたるFRB議長に関する問題ではないなど、微妙なところで差異はあるものの、大手全国紙が報じるような「日本特有の出来事」とばかりは言い切れない。
日本の国会同意人事は、政府与党が提案した人物について衆参両院で承認を得る必要があり、それを経て晴れて役職に就くことが出来る。
それに対し、米国の場合にはブッシュ大統領が指名後、議会の承認を経て役職につく格好で、基本的なプロセスは日本とそう変わらない。
そんな米国において、大統領の承認を経ているものの、議会の承認が終わっていない人事は現在150人を越えていることをご存知だろうか?ちなみに、そのなかには2人のFRB理事に関しての人事も含まれている。
もう少し具体的に言えば、FRB理事の人事においてデューク氏とクレーン氏が次の新理事として大統領がすでに指名済み。しかし、所管する上院銀行住宅都市委員会が承認に動かないため、宙ぶらりんの状態が続いているという状況にある。
ご存知の方が多いと思うが、米国の金融政策を司るFRB理事はバーナンキ氏ら正副議長を含めて合計7名いる。しかし、前述の2名に加え、1月31日でクロズナー氏の任期が切れたため、現状正確には4名の理事しか在籍していない。7人分の仕事を4人で廻すのは如何にもキツイものがあるため、暫定処置として「後任が決まるまで」---の条件でクロズナー氏に職務を代行で任せている。それでも7人分を5人でカバーしているわけで、厳しい状況にあることは変わりない。
いずれにしても、日銀同様に米国の中央銀行であるFRBも政治に翻弄されているわけだが、世界的な影響を与えかねないとの見方からすれば日本以上に米国の不安定さこそ早期に是正する必要がある。(了)
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