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2008年03月05日
◎ヒラリーの正念場、来月4日は天王山

米大統領選は、野党民主党の候補者選びが大混戦となっている。次のヤマ場は「ミニチューズデー」などと言われる3月4日の予備選だろう。

筆者はその結果を受けても依然情勢は混沌としたまま、と考えていたが、現地から伝えられる話を聞くとそこで決着のつく可能性を否定出来なくなってきたようだ。つまり、別の言い方をすると、それぐらいヒラリー氏は追い詰められた状況にあるという。残り一週間あまりの期間でヒラリー氏の巻き返しは叶うのだろうか?

ご存知のように、ヒラリー氏はいわゆるスーパーチューズデー後、まだ1勝もしていない。具体的に言えばオバマ氏に現在まで10連敗(ヴァージン諸島含む)を喫している。
そうした「負け」のなかには当然致し方のないものもあるが、下馬評ではヒラリー有利と言われつつ、逆転負けを喫した先もあり、ヒラリー陣営には動揺が走ってしている。実際、14日付けの米WSJ紙では「広告担当と世論対策担当が成績不振の原因をめぐって、責任のなすりつけ合いをしている」---などとヒラリー陣営の内紛を生々しく報じていた。

そんなヒラリー陣営が動揺している最大の要因は、「首都圏決戦」などと言われたバージニア、メリーランド、ワシントンDCの3州でオバマ氏に競り負けたこと。とくにワシントンDCの負けが衝撃となっているようだ。

理由については幾つかあるが、とくに次の2つの意味でダメージが大きいと考えられている。順に説明すると、ひとつに政府関係に勤務する人が多く、全米のなかでも政治に関心の高い人間が居住する地域として知られていること。つまり、「プロ」のあいだでヒラリー氏は人気のなさを露呈した格好にあるわけだ。
また、ヒラリー氏は夫のビル・クリントン氏とともにかつてワシントンDCに居住、また彼女の職場は現在もワシントンDCのキャピタルヒルにある。つまり、「地元」と言ってよい地域であるにもかかわらず、新参者のオバマ氏に敗北したことになる。

いずれにしても、あとのないヒラリー氏は来月4日に投票が実施される大票田のテキサスとオハイオにターゲットを絞った選挙戦を展開している。そこでオバマ氏に敗れるようだと、残念ながら選挙戦からの撤退も否定できない。(了)



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