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2008年02月20日
◎共和党はマケイン候補、米大統領選骨格固まる

今月5日、スーパーチューズデーあるいはメガチューズデーと言われた、米大統領本選挙に向けた大々的な予備選が実施された。

周知のように全米20を超える州で実施されたものであり、そこでの勝者が大統領候補に大きく近づくことになる。実際、共和党はマケイン氏が断然有利な状況となった反面、民主党はヒラリー対オバマの対立構図がさらに鮮明となった。
「華」のある民主党サイドの話はそこここで報じられるが、共和党サイドの情報はどうしても乏しい。そこでここでは共和党だけに話を絞って、レポートしてみたい。

当初は最有力候補と言われながら序盤州でのつまずきが響き選挙戦からの撤退を余儀なくされたジュリアーニ前NY市長に加え、7日に「最大のライバル」と目されたロムニー前マサチューセッツ州知事が電撃的に選挙戦からの撤退を表明した。共和党の候補者はマケイン氏ひとりではなく、まだ対抗馬は残っているものの、同党の場合にはマケイン氏でほぼ状況が固まったといって間違いなさそうだ。

そのマケイン氏のネックは選挙資金の少なさで、民主党のヒラリー氏やオバマ氏が1億ドルを超える資金を集めている(数字は昨年末時点。以下も)が、マケイン氏が集めた金額はその半分以下、もっと言えばヒラリー氏の3分の1程度、4千万ドルをわずか超えたに過ぎない。これについては、マケイン氏がかつて「選挙資金規正法(マケイン=ファインゴールド法)」という企業献金を制限する法案を成立させたという経緯からすると致し方ないところでもある。しかし、今回のような大統領選挙という膨大な資金が必要な戦いを乗り切る上では最大の懸念要因となっていた。

ところが、まだ決定ではないものの、有力候補の相次ぐ離脱により早めに共和党内の選挙戦が終了する公算が高まってきたため、最大のネックが取り敢えず解消される見通しだ。
また、マケイン氏だけでなく共和党そのものにしても、党内の戦いではなく民主党候補との戦いになる「11月の本選」に向けた準備が早くから出来るという利点、これも大きい。もちろん、先はまだまだ長いのだが、もしかしたら「誰が共和党候補になっても民主党が有利」---という状況にも変化が生じる可能性すらありそうだ。(了)



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