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2008年01月23日
◎FOMCメンバー、今年はタカ派より?

住宅や消費の落ち込みを中心に、米景気後退観測が日に日に強まっている。
景気後退観測もあり、米国は今月末29、30日のFOMC会議で利下げが実施するとの見方がほぼコンセンサスだ。ただし、下げ幅については0・25%との見方と0・5%の見方が拮抗している。

そんなFOMCのスタンスを見極める意味も込め、今年から新たにFOMCのボードメンバー入りする4人の米地区連銀総裁のスタンスなどを確認しておきたい。

ご存知の方が多いと思うが、米国の場合には金融政策に対して決定権を有するボードメンバーは合計12人いる。そのうち、バーナンキ氏など正副議長をはじめ、5人のFRB理事は毎年FOMCメンバーに加わるが、5人の地区連銀総裁は原則1年ごとの持ち回り制である(NY連銀総裁だけは翌年も継続)。
具体的にはフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁、ダラス連銀のフィッシャー総裁、ミネアポリス連銀のスターン総裁、クリーブランド連銀のピアナルト総裁---の4人プラスNY連銀・ガイトナー総裁が今年の地区連銀代表ということになる。

さて、前述した4人の新FOMCメンバーを見てみると、いわゆる「タカ派」の急先鋒であるピアナルト氏が加わる一方で、「ハト派」の代表であるフィッシャー氏も加わっており左右のバランスが取れていると言えそうだ。ただし、残りのプロッサー氏もなかなかのタカ派であるのに加え、スターン氏はタカ派よりの中立と分析されている。
ということからすると、全体を通しては昨年よりもややタカ派色が強まる可能性を否定出来ない。

しかし、先日発表されたFOMC議事録では、タカ派中立のスターン氏が属するミネアポリス連銀が0・5%の利下げを求めたことが明らかになったほか、ハト派・フィッシャー氏の属するダラス連銀は逆に金利の据え置きを提案していた。また、今月8日の講演でフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は、「物価に警戒必要、必要であれば対応の用意」としたものの、一方で「景気見通し悪化すれば追加利下げの可能性」とコメントしたと報じられている。

さきほど指摘したように、基本的にはややタカ派が有利と見ているが、実際の会合がはじまってみないとなんとも言えない、というのが実情であるようだ。(了)



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