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2008年01月16日
◎年内100円割れも、変動率では否定出来ず
一年間の相場変動を示すデータに「年間変動率」というものがある。当コーナーにおいても、たびたび紹介しているため算出方法など詳細は省略するが、ドル/円の過去の平均変動はおよそ17%となっている。
これはつまり、1ドル=100円で一年が始まったとして、一方向・ドル高に動いたと仮定すれば年末に向けて117円となっても不思議はないと言うことだ。
さて、そんな「年間変動率」を参考に今年の価格変動を以下で考えてみたい。
東京の市場筋が正月休みを取っていた1月2日のオセアニアタイムから為替市場は今年の取引が始まった。若干の差異はあろうが、筆者が参考にしているデータでは111・85 円で取引を開始したことになっている。これを基準価格とし、経験則である17%の価格変動を考えた併せたものが、今年のドル/円の予想レンジとなる。
ちなみに、111・85円を中心に上下に同じ幅だけ動くと仮定した中立相場を考えてみると、今年の価格変動はおおよそ102〜121円のレンジとなる。
中立相場でさえ102円台までのドル安が予想されるということは、若干でもドル安方向にバイアスがかかった展開となった場合には年内に100円を割り込むリスクを否定出来ないのかも知れない。
最後に同じ価格変動率から、もうひとつ。
周知のように、今年は米大統領選の実施年だ。その選挙は1月3日のアイオワ州から開始しており、緒戦において民主党ではヒラリー候補が敗北を喫した、ということは日本の新聞などでも大きく報じられている。
そんな米大統領選の実施年について為替市場では「相場が小動きに留まる」---というジンクスがある。調べてみると全平均17%の変動に対し、前回の大統領選が実施された04年は12・2%、前々回00年は13・4%、96年12・8%だった。
平均すると、大統領選の実施年は確かに12〜13%の価格変動に留まっている。それからすると、先ほど指摘をした年間レンジがいくぶん狭まる可能性もありそうだ。
ただし、ドル/円が動かない年はユーロ絡みが大きく動く傾向があるため、今年はユーロ/ドルやユーロ/円などの取引に注視をする必要があるのかも知れない。(了)
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