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2007年12月12日
◎ドル高有利な12月、ただし最近は円高多い
今年もいよいよ残り1ヶ月を切った。そこで当レター恒例の過去の経験則に基づいた当月の相場見通しを簡単に報じて見たい。
まずは、前述した戦績についてレポートすると、90年以降過去17年の12月相場は11勝6敗という勝率になった。つまり、6割以上の高い確率でドル高に振れているということになる。
ただしデータ上、ドル高が有利な12月相場だが、なぜかここ数年は逆にドル安有利となっている。具体的にいえば、前記した6敗のうち4敗は02年から05年までに記録されたものであった。昨06年の12月はドル高に振れ、その連敗記録を4で止めた格好ではあるものの、勝率や数字で示されるほど「ドル高有利」---ではないのかも知れない。一応頭の片隅でも留めておかれたい。
さて、そんな12月相場は「ドル高に振れやすい」以外で、あと2つほどの「特徴」が見て取れる。
順を追って説明すると、ひとつは「値動きそのものはあまり大きくない」と言うことか。年間を通し、あまり動かず値幅の乏しい月になることが少なくない。2つほど実例を挙げると、04年は月間を通して4・37円の変動で年間4位の小変動、その前年である03年は同3・30円の変動で年間3位の小変動に留まっていた。
これは海外投機筋などがクリスマス休暇にはいっているうえ、月末に向けては本邦筋も年末・年始休暇を迎えるなど参加者が著しく減退することと、おそらく無関係ではないのだろう。
一方、もうひとつの特徴として、12月相場は「一方向に偏った値動きを辿り易い」---ということも意外に少なくない。これはセオリーに沿ったドル高ではなく、ドル安方向に動いても、おおむねそうした傾向がうかがえる。たとえば、昨年の12月などはその典型で、月初のオープンが115円台で月間のドル高値が118・32円となるなか、月末クローズは118・15円レベル。足形をみると、やや下ヒゲを残す長大陽線でドルの強さを示すものだった。
いずれにしても、前段までに指摘した12月相場の特徴を参考にしたうえで、今年の相場動向を考え見ると、ドルの上値はともかく先月末に示現した107・22円を更新することは難しいのかも知れないように思う。(了)
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