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2007年11月28日
◎日米「捩れ国会」、与党がともに大苦戦

政権与党と、議会多数派を占める党が異なるという状態を、俗に「捩れ国会」などと言う。現在の日本が捩れ国会となっていることは周知のことだが、米国も似たような状況に置かれている。
こうした状況下では、国会審議がスンナリとは進まずに様々なところで問題が噴出するものだが、実際のところ日米ともに政権与党が同じような苦戦を強いられている。

まずは日本サイドから見ていくと、今月14日の参院本会議で、実に56年ぶりという「椿事」が起こった。
それは国会の同意人事において、参院で多数を占める野党の反対にあい、一部で「不同意」との結論が打ち出されたことだ。
具体的には、今国会で承認が必要な14機関28人の人事案のうち3機関、3候補について「不同意」となった。ちなみに、不同意となったのは運輸省出身である長尾正和氏の運輸審議会委員(再任)などで、その理由について民主党では「省庁の恒常的な天下りポストになっている」---などと指摘している。

おりしも、来年の3月には日銀総裁の任期が切れ、そこで再び国会の同意人事が求められることになる。
先日小沢・民主党代表から、次期総裁の有力候補とされる武藤副総裁について「100%ノーではない」とする発言も聞かれているが、と同時に「原則として天下りはよろしくない」との発言も聞かれている。落とし所がいったいどのあたりになるものなのか、引き続き与野党での攻防に注意をはらいたい。

一方、米国においては今月8日、上院本会議でブッシュ大統領が拒否権を発動した水資源開発法について、それを覆す決定をした。大統領による拒否権が覆ったのは98年以来のこと。現在のブッシュ政権下では5度の拒否権を発動しているが、覆ったことは今回がはじめてになる。

米国の大統領といえば、強大な権限を持つが、それでも発動した拒否権については上下院の議会で3分の2以上の賛成票を得た場合には覆すことが出来ると法律で一定の枷がはめられている。
とは言え、実際のところはなかなかに難しく、過去にも発動事例をあまり見ないもの。 ともかく、ブッシュ氏の求心力低下が改めて浮き彫りになったと言えるだろう。(了)



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