TOP
コラムTOP
最新コラム
バックナンバー
2007年10月10日
◎注目される今月G7、為替の議論あるか?

ユーロ/ドルの右肩上がりが止まらない。節目と見られた1・40ドルを越えたあとも騰勢はまったく衰えず、先週末には1・43ドル近いレベルにまでユーロは達している。

ちなみに、ユーロ/ドルのテクニカルな上値メドは95年3月につけたユーロの前身である独マルク高値をユーロに換算した、およそ1・45ドルレベル。中期のターゲットと目されたが、ここ最近の展開をみると存外早く同レベルに達する可能性を否定出来ないのかも知れない。

そんな一本調子のユーロ高・ドル安を受けて、さすがに一部の欧州要人から懸念発言がうかがえるようになってきた。一例を挙げると、9月24日にユンケル・ユーログループ議長は「為替相場の過度の変動は歓迎しない、経済ファンダメンタルズを反映すべき」とコメントしているうえ、同じ日のフィナンシャル・タイムズ紙(ドイツ版)では「10月19、20日にワシントンで開かれるG7で、ユーロ高・ドル安について議論する可能性がある」と報じている。さらに、イタリアのボニーノ伊欧州問題担当相からはG7だけでなく、「10月18日に行われるEU首脳会議の議題になるだろう」との発言も聞かれていた。

一方で、G7については先週末の通信社ダウジョーンズで欧州関係筋の話として「共同声明の中に、ドル安についての懸念を盛込むかどうかで意見が分かれている」などと報じている。まだ一筋縄ではいかない側面もあるようだ。

とは言え、欧州諸国で足元のユーロ高について懸念が高まっていることは確かであり、さらにいえば実際のところユーロ売り市場介入についても否定出来ないレベルに達している。

事実、元FRB関係者によると、各国中銀とも「1ヶ月で5%を超える変動、もしくは1年で10%を越える変動は過度の変動との認識を持っている」とされるが、ここ最近のユーロの価格変動はそれを上回ったものとなっている。

もっとも、一方では「日銀とは異なり、欧州の場合には勝つ介入しかやらない」(元ドイツ系銀行支店長)との味方もあり、条件が揃っただけで即介入に踏み切るということはないだろう。
ただし、注意だけは怠りないようにしておきたい。(了)



Copyright (C) 2004 fx-newsletter All Rights Reserved