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2007年09月19日
◎荒れ易い9月相場、方向性はハッキリせず

今回の当稿では、過去の経験則を元にした当月相場の見通しについて報じてみたい。
「円安有利」と言われた7月相場、あるいは圧倒的な「円高有利」と言われた8月相場とは異なり、9月相場は円安、円高のどちらが有利ということはないようだ。しかし、ほかの月に比べて9月は圧倒的な値幅を誇っている。

まず過去の9月相場の星取りから見ていくと、90年以降昨年までの17年間で9勝8敗。円安方向が星ひとつ先行しているものの、ほぼ互角と言ってよい結果だった。
ここ数年は3ヶ月ごとの四半期決算が一般的になりつつあるとは言え、9月中間期末を前にしたリパトリもそれなりに活発。したがって、2ヶ月連続で円高方向に有利な結果が出るのでは、と予想していたのだが見事に覆された。個人的にはやや意外な結果と言ってよい。

しかし、そんな9月相場にはひとつの大きな特徴がある。それは円高、円安という方向性は別にして、非常に大きな価格変動を辿るケースが少なくないと言うことだ。
その典型例は月間に11・15円動いた98年のケースだろうが、そのほかでも99年は8・20円、02年の7・41円、03年の7・63円---などといったように枚挙に暇がない。平均すれば9月は年間を通して1、2番目に大きく変動する月と言っても良さそうだ。

ちなみに、9月相場はなぜ荒れ易いのか。そのひとつの理由として、秋口以降とくに9月中にはなにかと大事件の起こり易いことが影響していることは確実だろう。
こちらについては2週間前の当稿で別途レポートしているので興味のある方はバックナンバーを参照されたいが、98年の大手ヘッジファンドであるLTCMの破綻(24日)、01年の米国同時多発テロ(11日)をはじめ多数の事例が観測されている。

そうしたなか、ご承知のように今年はサブプライムローン問題という難問がマーケットの波乱材料となっている。8月相場がすでに大荒れで、9月の荒れ相場が1ヶ月前倒しされているような感もあるが、今月以降「円高の第2波到来」など、当月以降も引き続き経験則どおりの荒れ相場には十分注意をする必要がありそうだ。(了)



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