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2007年08月29日
◎初秋相場は荒れ易い、今年もパターンどおり

古参の為替ディーラーによると、「台風シーズンの為替相場は荒れ易い」というジンクスがあるという。

調べてみると、なるほど確かに夏から秋口に掛けて為替市場はおおむね荒れ模様の展開を辿っており、その背景として大きな影響を及ぼす事件が起こることも少なくないことが判った。
折りしも、今年は米サブプライムローン問題の余波を受け、為替や株式など世界各国の金融マーケットは大きく揺らいでいる。大方は織り込まれたようにも感じるが、いまだヘッジファンドの破綻報道なども続いているだけに、今後の動向には引き続き注意する必要があるだろう。

為替荒れ相場の理由、大雑把に分類して「為替市場に直接関係のある事件」と「間接的に影響のある事件」---大きく2つのパターンに分けられるが、いずれにしてもマーケットの波乱要因が秋口に飛び出しやすいことが判った。

前者の「為替市場に直接関係のある事件」は70年代から80年代に良く見られたもの。とくに政治的な要因で、為替がある意味人為的に動かされたというパターンも数多く見られることが特徴のひとつと言えそうだ。紙幅の関係もあるため一例を挙げるに留めるが85年9月22日の「プラザ合意」がその典型ということになるだろう。

それに対して後者、「為替市場に間接的に影響のある事件」は90年代以降、最近に至るまでたびたび起こっている。というより、近年のパターンは大半がこちらになる。
幾つか例を挙げると、真っ先に挙げられるのは98年9月24日の「ロシア危機(LTCM破綻)」か。また01年9月11日の「米同時多発テロ」も事例のひとつに挙げられる。また、今年07年のマーケットで問題化している「サブプライムローン問題」も当然こちらだろう。

さて、そんな「秋の荒れ相場」いったい落とし所はいったいどこなのか。経験則からすると、「問題発覚によりいわゆる一番底を形成、その後小反発に転じしばらくもみ合ったのち、二番底を確認し終焉」---というパターンが少なくないようだ。
翻って、足元の展開はと言うと、まだ一番底を確認したに過ぎず、その後の保ち合い圏にある。短期的にはともかくやや時間を掛ける格好で、円高の第2波が到来しないとも限らない。(了)



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