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2007年08月15日
◎露系銀行動意復活、市場の撹乱要因に

今年の3月中ごろ、筆者は「久しぶりの大物投機筋登場か」---などとしたレポートをお届けしたことがある。具体的にはあるロシア系の銀行についてレポートしたもので、当時はポンド/円を中心にマーケットで猛威を奮っていたことについて報じている。

そんなことでいっときマーケットの関心を大いに注目を集めたロシア系の銀行だったが、その後しばらくは鳴りを潜めていた。
ちなみに理由については、「インターバンクディーラーのマークがきつくなった」との話のほか、「被害を被ったディーラーが少なくなく、その反感からラインカットされ取引停止に陥っていた」「取引で大きな差損を出した」---など幾つかの説がまことしやかに囁かれていた。

ともかく、一定の冷却期間を置く格好でしばらくはおとなしくしていたロシア系の銀行だが、ここにきて再び活発的な動意をうかがわせていると言う。
一番典型的で、判りやすい事例をひとつだけ挙げると、それは先月23日、シドニーやウェリントンといったオセアニアマーケットが開く前にドルがギャップ(窓)を開ける格好で高寄りした展開になる。筆者が採用しているワールドレートのデータによる同日のドル/円高値は121・55円だが、非公式には122・20円レベルがドルの高値だったとも言われている。レベルはともかく、そんな取引が極めて少ない早朝の時間帯を狙ってドルを強引に買い上げた主体こそ、一世を風靡したロシア系の銀行だった。

また、その後もおりにつけロシア系銀行の活発動意はマーケットでたびたび観測され、撹乱要因となっているようだ。

ここにきて一転、ロシア系銀行が動意を再開した理由については定かでないものの、前述したように商いの薄い時間帯などを狙った売買が復活していることは要注意だろう。

とくに、マーケットが8月に入り、サマーバカンスを取っている市場筋も少なくないため、これまでのような早朝のオセアニアといった時間ではなく東京やロンドン、ニューヨークといった「正規」の時間帯でもマーケットの商いが薄くなる傾向にある。思わぬ値動きにも対処できるよう、通常以上にストップロスなどに気をつけて取引をしていだきたいと思う。(了)



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