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2007年06月20日
◎波乱含みの6月相場、とくに近年は大変動

6月も早くも半ば近くへと達してきた。
いささか遅きに失した感もあるが、足元6月相場の特徴について考えてみたい。ボーナスシーズンと言うこともあり、個人投資家の外貨建て投資なども予想されることでドル高・円安が有利な月であるように思うが、そのイメージは確かなのだろうか。

まず過去の相場動向から6月相場はドル高、ドル安のいずれに振れる確率が高いのか、勝率について調べてみた。すると、90年以降昨年までの17年間の勝率は8勝9敗となっている。
前述したように、イメージとしては個人投資家などの外貨投資活発化でドル高が有利なように感じられるが、実際にはそうでもなく、方向性はほぼ五分といって良い内容。明確な差は見られない。

それに対して、6月の価格変動はと言うと一ヶ月で13円以上も動いた98年は別格にしても、非常に大きな変動を示すことが少なくない。
たとえば、昨06年6月の変動幅5・39円は年間を通して1位の大きな変動であり、またその前年である05年6月の変動幅4・49円は同3位、02年は7・55円で同1位、01年は6・69円で同4位---などとなっている。近年、とくに00年以降になり、大きな価格変動が相次ぎ観測されていることは興味深い。
ザックリ言って、6月は方向性こそさておき、「波乱の月」になることが多い、とも言えそうだ。

一方で6月相場には、さらにいまひとつ興味深い事象が見受けられる。
それは、前述したように年間を通しなかなか大きな価格変動を記録する反面、月足を見ると上下にヒゲを残した「十字線に近い足形が少なくない」---ことだ。つまり、6月の月初オープンと月末クローズに大差がなく、結果として「行って来い」に近い価格変動を辿っていることがままあることになる。

これは、先に挙げた一ヶ月で13円以上も動いた98年がその典型例だろう。筆者の付けているデータでは月初の寄り付きが138・60円で、月末終値は138・70円。その差はわずかに10ポイントしかなかった。
月の半ばに高値146・75円まで上昇したものの、その後急速に失速したことが見て取れる。6月はこのパターンが少なくない。(了)



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