TOP
コラムTOP
最新コラム
バックナンバー
2007年05月30日
◎空席のFRB理事2名、ようやく決定

マーク・オルソン理事が昨年6月に退任したことに続き、今年3月にスーザン・バイス理事が退任したことで2人の空白が生じていたFRB(米連邦準備制度理事会=米国の中央銀行)理事の後任人事がようやく決定した。
具体的には、クレジットカード発行会社最大手『キャピタル・ワン・フィナンシャル』のラリー・クレイン氏と米銀『ダウンバンク』のエリザベス・デューク氏だ。

ご存知の方も少なくないだろうが、FRBの理事はバーナンキ氏など正副議長を含め合計7人により構成される。しかし、ここ1年以上も7人のFRB理事がまともに揃ったことはほとんどない。
実際、06年2月にバーナンキ氏がFRB議長に就任したときから振り返ってみても、当時すでに2人の理事が欠員で、そうした状況下の中でバーナンキ新体制が発足したことになる。その際の欠員については、1ヶ月後にウォーシュ氏とクロズナー氏が就任したことで一時的に解消したものの、今度はFRB副議長を務めていたファーガソン氏など3人が退任。一方で補充はミシキン氏ひとりに留まっており、前述したように足元では再び2名の欠員が発生していた。

3月末に退任したバイス氏の後任が1ヶ月半後に決まると言うこともタイミング的に遅いが、昨年6月退任のオルソン氏の後任が1年近くたった、いま決定するというのはあまりにも遅すぎる。異例の状況が長期間放置され続けてきたことは間違いない。
これには、学界や金融界における人材難を指摘する声も聞かれているが、それよりもむしろ大統領による人事の停滞が影響しているのでは、と専門家のあいだで分析されている。

ともかく、そんななか新たにFRB理事に就任することになった2人について、判っていることはまだ少ない。政策スタンスなどについてはいまだ不明であり、両氏の今後の発言などには是非とも注意を有するだろう。

ただし、バイス氏の退任で女性理事がゼロとなったなか、デューク氏の就任で再び女性理事が誕生するうえ、2氏とも金融界出身でバーナンキ氏をはじめ学界出身者が増えていた理事ポストにバランスを配慮した人選ということだけは、少なくとも間違いないところであると思う。(了)



Copyright (C) 2004 fx-newsletter All Rights Reserved