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2007年03月28日
◎新投機筋「露系銀行」、ニュースター誕生か
最近、インターバンク・ディーラーとの情報交換のなかで、たびたび俎上にのぼることがひとつある。
それは、あるロシア系銀行の積極的な動意についてだ。主戦場はポンド/円とされ、マーケットの撹乱要因となっている。また、ここ最近のポンド大荒れ相場の一旦を担っていることは間違いない。あるヘッジファンド関係者などは、「久しぶりに出てきた投機筋らしい投機筋」であると指摘しており、その動向には大いに注意する必要がありそうだ。
「投機筋」とひとくくりにした場合、インターバンクの経験が長い「プロ」を除く多くの参加者はヘッジファンドをイメージするのではないかと思う。筆者が業界入りした92年はちょうど欧州通貨危機が起こった年。ジョージ・ソロス氏率いる『クォンタム・ファンド』が「イングランド銀行を打ち負かした」---などとし、世界的に有名になったこともあり、筆者ですらそうしたイメージが強い。
もちろん、それはそれで間違いないのだが、実はヘッジファンドが一世を風靡する90年代以前には様々な形態の「投機筋」が存在していた。一例を挙げると、保有する外貨準備高を利用した一部の中央銀行、潤沢なオイルマネーを背景とした中東筋、バブル時代の日本の生命保険会社や同事業法人(商社、証券含む)---などだ。
そのほとんどがヘッジファンドの台頭と入れ替われるように姿を消したが、中東筋については原油高の影響もあってか、ここ数年再び動意が活発化していることをご存知の方も少なくないだろう。
そして今回マーケットで噂されている「ロシア系銀行」とは、その名の示すとおりロシアのいち民間銀行である。
なお、かのロシア系銀行は、取引手法などについては幾つかの特徴がありそうだ。懇意にしている市場筋によると、そのひとつは「ソロス氏なども含め、かつてのヘッジファンドなどは目立たないようにこっそり取引したものだが、ロシア系の銀行は違う。薄商いを狙い目立つような取引が少なくない」という。
また、取引時間についても、@東京早朝9時前Aロンドンタイム早朝Bロンドンクローズ---などにとくに大きく仕掛ける傾向が強いと言われている。つまり、薄商いでマーケットの流動性の乏しい時間帯を狙って売買をする意向を強く感じさせる。(了)
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