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2007年03月14日
◎まさかの円高進行、背後に「陰謀説」も?
為替市場ではまさかまさかの円独歩高が進行している。
ホンの1週間ほど前には120円台で推移していたことなどウソのように思われるドル/円の値動きもさることながら、ポンド/円は1週間強で15円を越える下落で「メルトダウン」といってよいのかも知れない。
そんな円高がもたらされた理由について、マーケットでは「陰謀説」とも言える見方が声高に指摘されている。筆者は裏読みのし過ぎで違うと思っているが、「読み物」として一度ご紹介だけしておきたい。
マーケットの一部で指摘される「陰謀説」をレポートする前に、筆者は如何なる見方を取っているのか、まずそれを簡単に説明しておく。
まず、そもそも論とすれば筆者は足元のドル安・円高を「アジア発の(世界同時)株安」にあるとも思っていない。では何が原因なのかと言うと、最大のものは米景気減速懸念にあると考える。米景気の低迷に対する読み間違い、期待感の本格的な剥落がドル売り・円買いの主因なのではなかろうか。
さて、筆者の考えはともかく、マーケットで指摘されている「陰謀説」の話に入っていこう。
ヒアリングした限り、幾つかの「パターン」はあるのだが、基本となっているのはポールソン米財務長官がかつて在籍していた某米投資銀行が「怪しい動き」を辿っている、とされることがまずベースにある。飽くまで噂ベースの話になるけれども、たとえば「中国株あるいは米株の急落が急落する前に、株式市場で大量のプットオプション(売る権利)を購入していた」---などといった話もある。
また、為替市場においても同様の噂が指摘されており、「なにか事前情報を入手していたような動き」との声も聞かれている。
政治的な陰謀という話は個人的に大好きなジャンルだが、前述したような見方についてはやや被害者意識が強すぎるのでは、と思う。
実際に、シカゴIMMの投機ポジションなどを見ると円ショートのポジションは極限まで膨らんでいたわけで、蟻の一穴からでも崩れる可能性があることは判っていたはずだ。ただそれを見ない振りしている向きが多かった。展開としては、まさしく童話の「裸の王様」そのままだ。責任転嫁は見苦しい。(了)
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