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2007年03月07日
◎ヘッジファンド上場、今月9日米国で史上初

今月9日、米国である歴史的な出来事があった。
それは、野村ホールディングスも出資するヘッジファンド『フォートレス・インベストメント』がIPO(新規株式公開)をしたことだ。これは『クォンタム・ファンド』を率いたジョージ・ソロス氏など偉大な先人たちも実施をしなかったことで、米国初の出来事になる。

なお、勉強不足もあり筆者は前記ファンド名を寡聞にして知らなかったが、複数関係者からの情報を総合すると資産規模は300億ドルとされる。非常に大きな規模のヘッジファンドであるようだ。

その『フォートレス』のIPO価格は18・50ドルで、一部からは「高過ぎる」「過熱気味だ」---などと指摘されたが、その後も株価は堅調。IPO価格を大きく上回る20ドル台後半から30ドル台で現在推移している。株式上場から2週間程度で、結論を出すにはまだ早いけれども、ここまでの動向を見た限りにおいては取り敢えず成功を収めたといって間違いないだろう。

それもあり、米国の株式関係者のあいだでは早くも次のヘッジファンドのIPOが取り沙汰されている。「どこそこファンド」と、取り敢えず具体名はまだ聞かれていないが、「年内に第2、第3のIPOが実施されることは間違いない」(在米株式関係者)との見方が有力視されつつあるようだ。

かつてのヘッジファンドといえば、「得体の知れない」ところばかりがクローズアップされがちで、どこかダークなイメージが存在していたことは否めない。別の言い方をすれば、「日陰者」の存在だった。

しかし、いまから10年ほど前に当たる97年から98年に掛けて、『クォンタムファンド』のジョージ・ソロス氏や『タイガー・マネジメント』のジュリアン・ロバートソン氏など伝説のファンドマネージャーが第一線を退いただけでなく、ノーベル賞学者も在籍していた『LTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)』の破綻などを経て、「ヘッジファンドも世界も新旧が交代し、新たな時代に入った」(ヘッジファンド関係者)ようにも感じられる。今回のIPOなどは、それを示すもっとも端的な事例のひとつであるのかも知れない。
いずれにしても、これまでと一味違ったヘッジファンドにこれからも注目していきたいと思う。(了)



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