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2007年02月21日
◎FRB議長就任一年、バーナンキ氏の評価は?

在任期間18年で歴代2位を誇る偉大なグリーンスパン氏のあとを継ぎ、バーナンキ氏がFRB議長に就任したのは、06年2月1日のこと。早いもので、就任から一年以上が経過したことになる。
そんなバーナンキ氏の一年間の仕事ぶりにマーケットはどのような評価を与えているのだろうか。

「インフレファイター」とも言われたグリーンスパン氏が推し進めた「金利の引き上げ過ぎ」懸念、負の遺産が指摘されたが、FOMC会合を見ているかぎり非常に安定した金融政策を進めている。
とくに昨年の8月、それまで二年にもわたり続けられてきた金融の引き締めを停止させた手腕は特筆に価する。当時は、まだインフレ懸念が強く、利上げの休止は大きなリスクを孕んでいるなかでの対応だったからだ。

そんなことで、就任前には「学者出身で実務に乏しい」---などと利かれた陰口も最近はめっきり鳴りを潜めた。
むしろ、ある外資系ストラテジストからは「現在のマーケットはかなりの信頼感をもって接している」との指摘が聞かれていたほどだ。市場からの信認をしっかりと勝ち取ったとも言えるだろう。

また、FRB内部の評価も上々のようで、実際にダラス連銀総裁のフィッシャー氏からは「バーナンキFRB議長の議事運営は公正だ」との声も聞かれている。天才型であったが故に、ややもすると独善的になりがちなグリーンスパン氏に対して、バーナンキ氏はみんなの意見・総意を汲み取ることに腐心する傾向がうかがえ、それが内部における評価のアップに繋がっていると見られる。

「バーナンキ氏は意外な名議長であるかも知れない」(前述ストラテジスト)といった声も聞かれる一方で、やはり厳しい意見もなくはない。
その際たるものは、過去一年ほどが比較的平穏だったことで、「真価は、やはり有事を如何に乗り切るか。そこに掛かってくる」(在米外交筋)ためだ。
そのため、バーナンキ氏の手腕を評価するのは、まだ早いとの見方も一部からは指摘されている。

前任者であるグリーンスパン氏がブラックマンデーを上手く乗り切ったことで評価を上げたように、「有事」を如何に乗り切るか、その対応でバーナンキ氏の本当の真価も問われることになりそうだ。(了)



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