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2007年01月31日
◎重要な122円の攻防、抜けるとドル一段高も
ドル/円相場が120円を越えただけでなく、そのあと一度も119円台に戻ることなく強含みの推移を続けている。
122円手前にはオプションの防戦など20〜30億ドル規模のドル売りオーダーがあると言われるが、それでも抜けていくときには意外にアッサリと越えていくもの。実際、本稿が皆さんのお手元に届くころには122円を越えている可能性もある。
そうした円独歩安の商状を示すなか、「122円台」はテクニカル、需給ともになかなか大事なレベルに当たる。当稿では、そのあたりのことを報じてみたい。
まずはテクニカルな話をすると、122円台は幾つかの意味合いで非常に重要だ。ここでは、うちひとつだけを挙げるが、それは02年につけたドル高値135・20円からの大きな下げ幅のフィボナッチ61・8%戻しが122・40円レベルにあたることがある。
つまり、大雑把に言って122円半ばを仮に抜けるようだと、時間を掛けつつもドルは130円以上のレベル、状況次第ではフィボナッチの100%戻しに当たる135円台まで上昇する可能性を否定出来ないのかも知れない。
一方、同じく122円台は需給面からも注目されることが少なくない。
そのひとつは、今月16日の日経新聞マーケット欄で「輸入企業が円売り圧力」などと報じられた、輸入企業がかつて手当てをした「フラット為替」の消滅だ。
記事を読んだという方が多いと思うが、要旨をかいつまんで説明すると、輸入企業がかつて実施した「フラット為替」と呼ばれる為替手当てがドル/円相場の120円台回復を受けて消滅し始めている。そのため、輸入企業は120円以上のレベルでも新たなドル買い手当ての実施に迫られる---ということになる。
一部については前記日経新聞でも報じられていたが、筆者の取材においても122円台に乗せてくると消滅する「フラット為替」はさらに飛躍的に増える見込み。これには、03年以降一度も122円台をつけていないということが影響している模様だ。
ともかく、為替予約が消滅した場合には今後新たに為替手当てを実施する必要に迫られる。それが需給的にドルの強い下支えとして寄与することになりそうだ。(了)
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